【言葉と体の発達マメ知識】言葉が出る仕組み(後編)

むぎちょこ
むぎちょこ

こんにちは。言語聴覚士のむぎちょこです。

今回は、「言葉が出る仕組み(後編)」をお送りします。


言葉が出るためには、①言葉や事柄(状況)を理解する力、②話す力、③人に伝えたい気持ち・意欲の3つの要素が必要です。

前回は、①の理解する言葉を増やすための関わりについてお話しました。


理解できる言葉が増えれば、あとは聞いたことを真似して発するだけと思われそうですが、それがなかなか難しいのです。

②の話す力を育てるには、耳から聞いただけで真似をする力が必要です。

しかし、口を注意深く見ていても、ほとんど歯列の内側で舌が動いているので、どのように動かしているのかは見えにくいです。


音の真似がまだ難しいお子様の場合は、リズムやイントネーションの真似をできているかどうかを見てみましょう。

発音はまだ不明瞭だけれど、なんとなく大人が推測できる場合は、リズムやイントネーションは真似することができるということになります。

リズムやイントネーション等、単語全体を捉えて真似をしているけれど不明瞭なタイプと、単語の一部のみ真似をしているお子さんのタイプがあります。


いずれも、いま正しく発音できるための通過点と思って見守ってあげてください。

不完全でも相手に伝わった実感を持つことが大切ですので、大人は推測しながらも受け取ってあげましょう。


その積み重ねが③の人に伝えたい気持ちに繋がります。人に伝わったという実感が持てるから、また人に伝えたい!という気持ちになるのですね。


何かアクションを起こせば、周りの状況が変わる!これこそがコミュニケーションの土台となります。


「いや」と言えば、それ以上は〜しなさいと勧められなくなった、「ちょうだい」と言えば、欲しい物が手に入った等、何か人に伝えることって「便利!」「嬉しい!」と思える経験が必要です。


いかがだったでしょうか。

言葉が自由に扱えるようになるために、様々な過程を通っていきます。

その通過点を一歩一歩進んでいる準備期も、親子のコミュニケーションを楽しんでもらえたらと思います。


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