今日は、タオルブランコという遊びについてお話したいと思います。
タオルブランコみなさんご存知ですか?
私も、自閉症のお子さんと遊ぶ時によく使います。
どうしてタオルブランコをよく使うのか、そしてその目的とか、遊び方のコツについても順番にお話していきます。
タオルブランコは大きめのシーツとか布を下に広げて、その上にお子さんが乗ります。
そしてその大人が、両端を持って大きくゆらしていきます。ハンモックのような遊びですね。
私は「タオルブランコ」と言ってるんですけれども、「布ブランコ」とか「シーツブランコ」「ブランコ毛虫」といった呼び方で呼ばれることもあります。
タオルブランコで遊ぶ目的は?
このタオルブランコ、どういう目的で遊びに使うかというと、「揺れに対してお子さんがどういう反応するか」っていうのを見るためなんですね。
揺れることを非常に怖がるお子さんもいたり、キャッキャキャッキャと笑って楽しめるお子さんもいます。
それから揺れが終わった後、お子さんがどういう反応するかっていうことも見ることができます。
タオルブランコは最初、お子さんが乗る時は布が地面についているので安定してるんですけれども、大人が両端を持ってふっと持ち上げると途端にね、不安定になるんですよ。
この不安定の中でお子さんが体を、どうバランスとっていくかっていうのを見ていたりもします。
タオルブランコでやり取り力や言葉力を引き出すポイント
次に具体的な遊び方を順番にお話します。
まずタオルブランコが初めてのお子さんは、どういう風にこの布が動いていくのかっていうのが分からないので、布に近寄ってきてくれないってことがあるんですね。
もしお子さんがすごく警戒しているようなら、まず見本を見せます。
もしご兄弟の方がいらっしゃったら、一緒に乗ってもらって揺らしてみせるっていうのもありですし、アンパンマンとかくまさんの人形・ぬいぐるみを乗せて楽しそうに揺らしてみるっていうのもお勧めしています。
お子さんがその様子を見て「ちょっと興味を持っているな」と感じたら、布の上をトントンと叩いて、「ここに乗ってみる?」って言う風に誘ってみます。そこでお子さんの反応を見ます。
自分から布の上に乗ってきてくれるお子さんは「やってみよう」っていうサインですし、したそうにして見ているけれども、なかなか体は動かないと言ったお子さんは、ちょっとお母さんに手伝ってもらってお子さんを乗せてもらって、素早く動かしてみます。
実際にやって揺れを感じると楽しくなってくるお子さんもいらっしゃいます。
やり方を見せてもあまり興味を示さないお子さんに対しては、見本を見せるだけでオッケーです。
揺らす時に気を付けるポイント
次に実際に揺らしてみます。
その時に気をつけるポイントは、始めと終わりをわかりやすくしてあげることです。
始まりには掛け声を、「せーの」とか「さん・にー・いち」とか「行くよー」とか、わかりやすい言葉がけをします。
終わる時には、10回カウントダウンして、10でおしまいにするとか、必ず同じ歌を歌って歌が終わると終了にするとか、始めと終わりをわかりやすくするのがポイントです。
揺らし方なんですけれども、揺れも色々ありますよね。
横揺れとか縦揺れ、布をクルクルクルッと揺らして回転するような、お子さんが布の中で回転したりとかいろんな刺激があります。
お子さんの好みを探ってみるのもいいと思います。
横揺れが嫌いな人でも、意外と縦揺れは好きなお子さんもいるので、横揺れが嫌そうだったとしても縦揺れとか色々アレンジしてみるとお子さんの好きな刺激が見つかることもありますよ。
床に下ろしたときの様子もしっかり確認しよう
それから床に下ろします。
下ろした時のお子さんの反応を見てみるんです。
あるお子さんは、揺らしてくれた大人の目をじっと見て次に揺れるのを待っているお子さんとか、あとは手足バタバタバタっと揺らして、「早くして」って訴えかけるお子さんとか、後は1回体が起きたけれども
また自分から布の上に寝転んで待っているお子さんとか、いろんなスタイルでお子さんは要求を出してくれます。
そしてここでまたポイントです。
お子さんから何らかのアクションが見られたら、そそれに対応して(もう一度)揺らすことを始めます。
大人はお子さんの様子を見てると「きっと楽しかったから、したいんだろう」なと思って先取りしてしまって、揺れを始めてしまう時があるんですけれども、ここはお子さんのアクションが先です。
お子さんの反応がみられてからそれに合わせて動かしてみましょう。
このようにして、タオルブランコの遊びを繰り返すことで、お子さんの要求行動がどんどん出てきます。
思わず「もう一回」っていう風に、言葉が出てくるってこともあるんですね。
揺れ遊びが好きなお子さんは、エンドレスになることもあります。
でもこの遊びを通して、お子さんの要求行動がいっぱい出てきたり、言葉につながるって言うことも少なくありません。
タオルブランコは、人とのやり取りが学べる遊び
それからタオルブランコは一人でできる遊びじゃないんですよね。
あの揺れをもう1回したいって思った時に、自分ではなかなか揺れられないので、やっぱり大人の手が必要なんです。
大人の手が必要だから、人を呼びに行く、人への意識が高まるといった効果もあります。
このタオルブランコ遊びに慣れてきたら、やり取りをちょっと焦らしてみる、という工夫もできそうです。
すぐに反応して揺らすのではなくて、ちょっとだけ待ってみると、お子さんからちょっと催促の動きが出てきます。
その中で言葉につながる反応も出てくると思います。
そこでその反応が出てきたら、「もう1回だね」っていう風に、即言葉で返してあげて真似を促します。
このタオルブランコ遊びを通じていろんなアレンジをしながら、言葉を促していくことができるんです。
よかったらこの遊び方、参考にしてみてください。