食事に関するお悩みは、多岐にわたります
お子さんのお食事のことで、困りのことはありませんか?
例えば、「椅子に座って食事を取らない」とか、「スプーンなど道具を使って食べない」とか、「決まったものしか食べられない」とか、「そもそも食べることに対して意欲が少ない」などのご相談を受けることがあり
ます。
でもそのようなお悩み事で困っているのはたいてい大人で、お子さんは困ってないのかもしれません。
食事中席を立って遊び始めた時や、手づかみでもりもり食べている時、いつもの白ご飯だけを食べている時のお子さんの様子はいかがですか?生き生きしてませんか?
先ほどあげた、「できないを全てできるようにする」ということを目標にしてしまうと、お子さんもお母さんやお父さんも、とってもとってもしんどい状況になります。
しかも食事って1日に3回あるんですよね。
3回ともお子さんと真っ向勝負で勝利してしまうと、体も心もお互い疲れ切ってしまうんです。
親子とも食事の悩みが楽になる考え方
だったら、「お互いに楽になるポイントを探そう!」という考え方をしてみてはどうでしょうか。
お子さんの「食べることにあんまり興味がない」ということも、「決まったものしか食べられない」のも、「まだスプーンなどを持てないこと」なども、ひっくるめてお子さんのスタイルってことにしませんか。
食事の問題には、感覚の問題が大きく関係しているんです。
自分の体に口を通して食べ物を取り入れるわけですから、それにはとっても敏感になるんですね。
見た目・味・食感・温度について素早くセンサーが働くのです。
だからいつもとちょっとでも違うと思うと、もうそれは「アウト!」というふうに判断されることが多いですね。
特に手作りお母さんの手作りの料理は、お母さんのさじ加減一つによって、微妙に毎日味が違ったりするんですよね。
感覚に敏感なお子さんは、その味の違いを察知して、「食べられない」って思ってしまうんですね。
いつもと違うっていうことになるんです。
レトルト食品や、インスタント食品を好むお子さんは、そういった味の違いを敏感に察知するお子さんが多いですね。
お子さんの感覚の敏感さや好みを知って、できるだけお子さんが安心して食事に臨めるように、そしてお母さんも「食事をとる」ということに対して、力が入りすぎないようにしていきましょう。
食事時間はコミュニケーションの時間でもある
また食事時間っていうのは、栄養とるっていう事だけではなくて、コミュニケーションの時間でもあるんです。
まだ言葉が出ないお子さんだったら、おかわりの時に器を差し出したりとか、食べられないものがあったら言ってそれを指摘するような表現が出てくるんですよね。
言葉が出ているお子さんの場合は、お子さんの好きなキャラクターとか、好きなものを話題にしてみんなで大いに盛り上がるってこともできますよね。
我が子の食事スタイルを観察して、安心した食事時間を!
食事のお悩み事っていうのは、本当に多岐に渡るんです。
解決するまでにすごく時間がかかることもあります。
一番大切なことは「お子さんの食事のスタイルをしっかり観察して無理のない範囲で安心して食事をとる」ということです。
時には食事を食べなくても、おやつでもいいんです。
みんなと一緒にテーブルを囲んで色々お話ししたりとか、人の話を聞いたりとか、楽しい時間を過ごしていきたいですね。
言語聴覚士を含め療育関係者は、そういうお手伝いもしていけたらなと思っています。
食事のお悩みごとで、すごくしんどい思いをしているお母さんお父さんの相談をよく受けるので、今回はこのようなお話をしてみました。