
こんにちは、こども発達LABO.のにしむらたけしです。
今回の記事では、こども発達LABO.の動画「【療育のイロハ】効果がありそうに思えるけど、実は効果がない療育」の内容をもとに、療育の効果を正しく見極めるためのポイントをご紹介します(記事の最後にYouTube動画があります)。
療育を受ければ必ず子どもが成長するとは限りません。実際には「ブラック療育」と呼ばれる、逆効果になってしまうような療育も存在します。そのため、保護者の方が適切な療育を見極めることがとても重要になります。
しかし、役所や相談窓口では「どの療育が良いか」を教えてもらえることは少なく、結局は保護者自身が情報を集め、判断しなければなりません。では、どのような療育が効果的なのか、今回はそのポイントをお伝えします。
難しいことをさせても効果はない
「できないことをできるようにするために練習させる」
これは一見すると正しい方法に思えますが、実は効果がないことが多いです。
例1: 縄跳びができない子に縄跳びの練習をさせる
縄跳びができない子どもに対し、「できるようになるまで練習しよう!」と取り組ませることは多いですが、これは効果的な方法ではありません。なぜなら、その子が縄跳びをできない理由(つまずき)が解消されていないからです。
例2: 言葉が出ない子に単語を繰り返し教える
「リンゴ」「ジュース」などの単語を絵カードで何度も教える方法も、子どもが言葉を出さない本当の理由を考えずに進めると効果は薄いです。
このように、できないことを無理に練習させるだけでは、発達にはつながりません。
子どもには自ら発達する力がある
どんな子どもにも「自ら発達する力」があります。発達障害があるお子さんでも、ゆっくりでも必ず成長しています。
ただし、その成長が目に見えにくいことがあり、「うちの子は発達していないのでは?」と思ってしまうこともあるでしょう。実際には、発達の変化が小さすぎて気づきにくいだけの場合が多いのです。
発達が遅く見えるのは、何か「つまずき」があるからです。では、この「つまずき」をどう見つけていけばいいのでしょうか?
「つまずき」を特定することが大切
子どもが何かを「できない」とき、その原因(つまずき)を明らかにすることが最も重要です。
例: 縄跳びができない理由
- 手首の回し方が不器用 → 縄をうまく回せない。
- リズム感が未発達 → 飛ぶタイミングが取れない。
- ジャンプのコントロールが苦手 → 縄に引っかかってしまう。
このように、「縄跳びができない」という事実の裏には、いくつもの要因が隠れています。子どもの発達を支えるには、これらのつまずきを見極めることが欠かせません。
「つまずき」に合った手立てを行う
つまずきを発見したら、それに合わせた支援を行うことで、結果的に「できること」が増えていきます。
具体的な手立て
- 手首の動きの練習: 鍵を回す遊びやカルタ遊びで手の動きをスムーズにする。
- リズム感を養う: タンバリンやカスタネットを使ってリズムを感じる練習をする。
- ジャンプのコントロールを強化: ソファからジャンプするときに「ピョーン」と声をかけて、タイミングを意識させる。
こうした練習を続けることで、総合的な運動能力が高まり、結果として縄跳びができるようになります。
言葉の発達にも応用できる
言葉の発達も、運動と同じように「準備」が整うことで自然に伸びていきます。
例えば、ジュースが飲みたい気持ちはあるのに「ジュース」と言えない場合、言葉を発する準備が整っていない可能性があります。この場合は、言葉を直接教えるのではなく、「伝える経験」を増やすことが重要です。
療育の選び方のポイント
では、どのような療育を選べばよいのでしょうか?
- 「つまずき」を見つけてくれるか
- 「つまずき」の説明を保護者にしてくれるか
- 家庭での対応方法を具体的に教えてくれるか
この3つがしっかりできている療育なら、子どもにとってプラスになります。逆に、単に「できないことを練習する」だけの療育では、あまり効果が期待できません。
療育選びに困ったら専門家に相談を
「今通っている療育が合っているか分からない」「子どものつまずきをどう見極めたらいいのか分からない」と悩む保護者の方も多いでしょう。
こども発達LABOでは、お子さんのつまずきを専門家が一緒に考える オンライン相談 も行っています。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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お子さんに合った療育を選び、成長を支えていきましょう!