
こんにちは。理学療法士のにしむらたけしです。
「うちの子、運動が苦手かも…」「どうやったら楽しみながら体を動かせる?」
こんな悩みをお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。
発達特性のあるお子さんの運動面の特徴はさまざまですが、一人ひとりの「得意」と「苦手」を理解し、適切なサポートをすることで、運動がもっと楽しくなります。
今回は、お子さんの運動発達を促すためのポイントを解説します!
発達特性のあるお子さんの運動面の特徴
発達特性のあるお子さんの運動面の特徴には、大きく以下のようなものがあります。
① 姿勢を保つのが苦手(低緊張の傾向)
発達特性のあるお子さんの中には、筋肉の緊張が弱く、姿勢を長時間維持することが苦手な子がいます。
- じっと座っているのが難しく、すぐにゴロンと寝転んでしまう
- 走るとすぐに疲れてしまい、長時間の運動が続かない
- 立っていると体がフラフラしてしまう
このような場合、無理に姿勢を正すことを求めるよりも、体幹を鍛える遊び を取り入れることが効果的です。
例えば、トランポリンやバランスボール、子ども向けヨガなどを日常に取り入れることで、自然と体の使い方が上手になり、姿勢の安定につながります。
② 力加減が難しい
発達特性のあるお子さんは、筋肉のコントロールが苦手で、力の調節がうまくいかないことがあります。
- 物を持ったときにすぐに落としてしまう
- 友達と遊ぶときに力加減が分からず、強く押してしまったり、逆に弱すぎたりする
- 鉛筆や箸を持つときに、ぎこちない動きになってしまう
こうした場合、握力や手指のコントロールを育てる遊びを意識的に取り入れることが有効です。
例えば、粘土遊びや風船バレー、お絵かきなどは、楽しみながら力のコントロールを練習できる遊びです。
特に風船バレーは、軽い風船を使うことで力加減を自然に調節する練習になるのでおすすめです。
③ バランスを取るのが苦手
バランス感覚が未発達な場合、転びやすかったり、特定の動きが苦手だったりします。
- 片足立ちができず、ふらついてしまう
- ジャンプするときにタイミングが合わず、うまく跳べない
- 階段を上るときに手すりを使わないと不安
- 自転車やキックボードのバランスを取るのが難しい
バランスを取る力を鍛えるには、遊びながら感覚を養うことが大切 です。
平均台歩きやでこぼこ道を歩く遊び、公園の遊具を使った運動などを取り入れると、楽しみながらバランス感覚を育てることができます。
無理に練習させるのではなく、お子さんが「楽しい!」と思える形でチャレンジできる環境を作ることがポイントです。
④ 空間認識が苦手
空間認識が弱いと、周囲の状況を把握するのが難しくなり、運動面でも困りごとが生じることがあります。
- 友達や物にぶつかりやすく、注意されることが多い
- ボールを投げたりキャッチしたりするのが苦手
- 机の端に物を置いて、よく落としてしまう
- 人との距離感がつかみにくく、近づきすぎたり離れすぎたりする
空間認識を育てるためには、目と体の協調を促す遊び を取り入れるのが効果的です。
例えば、 風船キャッチや的当てゲーム、ボール転がし などを遊びの中に取り入れることで、視覚と体の連動を強化することができます。
ボール遊びが難しい場合は、まずは風船やスカーフを使って、ゆっくりとした動きから慣れていくのもおすすめです。
お子さんの「得意」を見つけよう!
発達特性のあるお子さんの運動面の課題に注目しがちですが、「どんな動きが好き?」「どんな遊びなら楽しそう?」という視点で、お子さんの得意なことを見つけることも大切です。
例えば、
✅ トランポリンが好きなら →トランポリンをしながら体幹を鍛える遊びをプラス!
✅ ボール遊びが苦手なら → 風船やスカーフを使ってゆっくりした動きから挑戦!
✅ 水遊びが好きなら → 浮力を活かして水中での運動を取り入れてみる!
このように、お子さんが「やってみたい!」と思える工夫 をすることで、無理なく運動の機会を増やせます。
「運動が苦手」と決めつけるのではなく、「どうしたら楽しく体を動かせるか?」を一緒に考えていくことが大切です。
まとめ
• 発達特性のあるお子さんは、運動の「得意」と「苦手」がそれぞれ違う
• 苦手な動きは、遊びを通して少しずつ経験を積むことが大切
• お子さんの好きな遊びを見つけて、楽しく運動を取り入れよう!
「運動が苦手」というよりも、お子さんにとって 「楽しく体を動かせる方法を見つける」ことがポイントです。
焦らず、お子さんのペースに合わせて、一緒に体を動かす時間を楽しんでいきましょう!